声楽家のためのイタリア語発音レッスン
イタリア語発音のスペシャリスト
マルコ・ビオンディ先生に学ぶ「本物のイタリア語発音」
Lezione di pronuncia italiana per cantanti lirici
歌唱力を磨く道のりは決して平坦ではありません。しかし、イタリア語発音は、日本人であっても正しい指導を受けることで確実に身につけることができます。
本レッスンでは、声楽経験の浅い初心者から音大生、プロを目指す方まで、どなたでもご参加いただけます。
声楽家にとって発音が重要な理由
発音はすべての声楽家にとって欠かせない要素です。それは、歌詞の明瞭さや芸術的表現の効果に大きく影響を与えます。歌唱において、言葉は単なる意味の伝達手段にとどまらず、音楽的かつ演劇的な表現の一部となります。そのため、特に言語的・感情的な豊かさで知られるイタリア語のレパートリーを扱う歌手にとって、正確な発音は欠かせません。
イタリア語発音と声楽テクニック:重要なバランス
声楽では、発音が声の響きや音の投射を重視する発声技術に適応する必要があります。この点で、俳優や声優、アナウンサー、ラジオスピーカーなど他の職業で求められる発音とは大きく異なります。
演劇やラジオのような分野では、発音が自然で会話的なものであっても問題ありませんが、声楽家にとっては音楽的・演劇的・言語的な要件をバランス良く組み合わせる高度な技術が必要です。この複雑さこそが、声楽における発音を他の分野と一線を画す芸術にしています。
声楽家にとって重要な発音のポイント
重要な単語と正確な発音:不適切な効果を避ける
イタリア歌曲のレパートリーでは、「amore(愛)」や「dolore(苦しみ)」といった言葉が感情的な場面で頻出します。これらの言葉の「o」は閉じた発音である必要があります。開いた発音をしてしまうと、場面の荘厳さや感情的な深みを損ない、場違いな印象を与えてしまうことがあります。
イタリア語の「z」の発音:外国人歌手にとっての挑戦
イタリア語を母国語としない歌手にとって特に難しいのが、イタリア語における「z」の正しい発音です。イタリア語の「z」は、無声音([ts])または有声音([dz])の破擦音で発音されます。たとえば、「Firenze」は[fiˈrɛntse]、「grazie」は[ˈɡrattsje]と発音します。
多くの外国人歌手は、自国語で使われる「純粋なz」(イタリア語の有声音の「s」、たとえば「casa」における発音に似たもの)に慣れているため、イタリア語の「z」を誤って有声音の摩擦音として発音する傾向があります。この結果、単語の理解やリズムが損なわれる場合があります。
レチタティーヴォやセリフ部分:発音が際立つ瞬間
オペラでは、レチタティーヴォ(レチタティーヴォ・セッコ)やセリフ部分(たとえば手紙の朗読シーン)のように、音楽よりも歌詞が主役となる場面があります。このような場面では、発音の欠陥が顕著に現れます。誤った発音は、歌詞の意味を伝えにくくし、場面の演劇的効果を損なう可能性があります。
発音を体系的に学ぶ重要性
これらの課題に対応するためには、特に日本人歌手はイタリア語の発音を徹底的に学ぶことが重要です。この学習には以下が含まれます:
- 音声学・音韻論の知識:開音節と閉音節、破擦音と摩擦音、単子音と二重子音の区別。
- 実践的な練習:重要な単語やフレーズの反復練習、自分の発音を録音して参考例と比較。
- 専門家とのトレーニング:イタリア語発音のコーチからの個別指導を受け、特定の課題を克服し、より良い発音を目指す。
芸術的成功のための必須基盤
声楽における発音は、これだけでは語り尽くせないほど多くの課題を伴います。イタリア語発音の習得は一つの芸術であり、細やかな注意と学習、そして献身を必要とします。オペラレパートリーで成功を収めるためには、発音レッスンへの投資が不可欠であり、それによって本格的で理解しやすく、感動を与えるパフォーマンスが実現できます。
イタリア語発音の基礎から、発音の仕組み、細かな違いなど、専門的かつ実践的に指導します。
発音は、音楽を生きた言葉に変える魔法です。
正しい発音が加わることで、歌はただの音ではなく、
心を揺さぶるメッセージとなります。
あなたの声で紡ぐ物語を、私たちが全力でサポートします。
イタリア発音の担当講師
みなさんへメッセージ:
声楽家の皆さん、そして声楽家を目指している皆さんへ
歌とは、音楽と言葉を融合させ、聴く人の心に深い感動を与える芸術です。その中で「発音」は、ただの技術ではなく、言葉の意味を音楽に乗せて伝えるための大切な要素です。特にイタリア語は、オペラの世界で最も愛され、豊かな感情を表現するための鍵となる言語です。
しかし、完璧な発音を習得することは簡単ではありません。母音の微妙な響き、子音の滑らかな流れ、フレーズ全体の音楽的なバランス。これらを身につけることで、あなたの歌唱はただの演奏を超え、より説得力のある物語となるでしょう。
私のレッスンでは、イタリア語を母語としない方々が直面する具体的な課題に寄り添い、一人ひとりに合わせたアプローチで指導を行っています。音楽的な要求を尊重しながら、発音を磨き、より美しく、より明瞭な歌唱を目指していきましょう。
声楽初心者の方からプロを目指す方まで、どなたでも大歓迎です。発音に自信がない方も、少しずつ丁寧に取り組んでいけば必ず成果が得られます。
あなたの声を、そして歌を、世界に届けるお手伝いができることを心から楽しみにしています。一緒に、その第一歩を踏み出しましょう!
~ 経歴 ~
NHKラジオ講座「イタリア・食のサロン」でお馴染みのマルコ先生。
ペーザロのG・ロッシーニ音楽大学にて作曲、ピアノ、オルガンを学んだ後、1987年よりウルビーノ大学にて哲学を修める。
在学中に奨学金を得て89年ベルリン自由大学に留学。卒業後、94年ボローニャの教皇庁立トマス・アキナス大学にて宗教学の博士号を取得。
ローマの教皇庁立聖アンセルムス大学のパドヴァ校にて神学と古代・中世史を研究。97年来日。
今までに慶應義塾大学、早稲田大学、東京外国語大学、中央大学にてイタリア語講師を務めた他、長年にわたりイタリア文化会館にて古典語(ラテン語・ギリシャ語)を教えるなど語学・文化教育のスペシャリスト。専門は哲学・言語学・宗教学・歴史・芸術・音声学・発音・音楽など、多岐にわたる分野において高度な知識をもち、音楽オペラ関連については、「オペラ対訳ライブラリー(音楽之友社)」への協力や、東京二期会にてイタリア語の発音コーチを務めたこともある。
現在 東京大学 教養学部 准教授。
レッスン料金
※入学金(初回のみ):¥5,500(税込)
※マルコ先生のレッスンおよび解説は、イタリア語または英語で行われます。日本語通訳をご希望の方には、別途料金で通訳サービスをご利用いただけます。
通訳料金:30分 3,000円 / 60分 5,000円
月謝制コース
コース名 | 定員 | 1回あたりの時間 | 回数 | 月謝(税込) |
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マンツーマン 月謝制 | 1名 | 60分 | 月1回 | ¥11,000 |
月2回 | ¥19,800 (1回あたり¥9,900) | |||
月3回 | ¥26,400 (1回あたり8,800) | |||
月4回 | ¥30,800 (1回あたり¥7,700) |
回数制・割引コース
コース名 | 定員 | 1回あたりの時間 | 回数 | 料金(税込) |
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マンツーマン 回数制・割引コース | 1名 | 60分 | 全5回 ※3ヵ月間有効 | ¥44,000 (1回あたり¥8,800) |
全10回 ※5ヵ月間有効 | ¥77,000 (回あたり¥7,700) | |||
全30回 ※10ヵ月間有効 | ¥198,000 (1回あたり¥6,600) |
お支払い方法
【クレジットカード決済についての注意事項】
レッスン・コース料金が、50,000円(税込)以内で有効期限が1年以内のレッスン・コースは、クレジットカード払いが可能です。
50,001円(税込)以上のレッスン・コース料金の場合は、有効期限が2ヶ月のレッスン・コースのみクレジットカード払いが可能です。
※※※通常 2ヶ月以上有効期限があるレッスン・コースをクレジットカード払い希望の場合は、
50,001円(税込)以上の全てのレッスン・コースは有効期限が2ヶ月以内に変更となりますのでご注意ください。
体験レッスンのお申し込み
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